「この本を楽しめないなら、他にオススメはありません!」
こんな強気の帯メッセージ、今まで見たことなかったんですわ。
品川から新大阪行きの新幹線に乗ろうとしていた直前、「新幹線内でさくっと読める本は無いかな?」とふと思い立ち、立ち寄った駅構内の本屋さんにて大々的に並べられていた所を手に取ってみた本。
ゆっくりと本を選んでいる時間もなかったことも重なって、「そこまで言うなら読んでやろうじゃないか!」と購入してみたのがこの本でした。
中身は、1話1話は短いけれどどれもこれも内容が濃くそしてしっかりとオチのある見応えのある短編小説、そして物事の本質にずばっと切り込むようなエッセイとがセットになった本。
特に前半の短篇集の中にて描かれていた世界観が、どれもこれもめちゃくちゃ好きでした!
一見、当たり前に見えることをちょっと視点を変えて改めて眺めてみると、その背景には全然違った世界観が広がっているんだなぁと気づかせてくれるような。
作者のいしわたり淳治さんは元SUPERCARっていうロックバンドのメンバー、現在は作詞家もされているそうなんですが、すごーくおもしろい世界観をお持ちだなぁと思いました。
この人が脚本を書いたドラマや映画も観てみたいなぁ。
個人的には、
「顔色」「さみしい夜は」「人間のオーバースペック願望」「小鳥の歌声」「密室のコマーシャリズム」「正義の見方」
あたりが好きでしたね。
「世にも奇妙な物語」の原作になりそうな、そんな雰囲気が満載の物語集。
読み終えた後は、なんだか少し頭が柔らかくなったような気がしました。
短篇集は1話5分程度で読めるくらいに本当に短いので、ちょっとした合間の時間にもオススメです。