SFタイムトラベル系映画の隠れた名作、「LOOPER/ルーパー」の感想

アラサー男子の日常

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個人的にはかなりおもしろかったSF作品。久々にHuluで観ましたが、やっぱりめちゃくちゃ面白かった〜

劇場公開時にも日本ではあまり話題にはならなかったけれども世界的には各国で評価が高かった作品みたいですね。今後ともじわじわと語り継がれる、タイムトラベル系SFの隠れた名作なのではないのかな。(※今回もネタバレアリの感想でございます。)

冒頭5分の映像で一気に引き込まれます

映画を見る際って、オープニング冒頭の5分間でどれだけその世界に入り込めるかという点がかなり重要ポイントであると思うのですが、LOOPERに関してはその点、抜群であると思います。

それが表れているのが、冒頭の「ルーパー」に関しての語りの説明〜荒野での銃撃シーン。

サトウキビ畑の手前、画面左側にジョーが立ち、右側の何もない空間に観客の視線を集中させる効果的な映像構図、そのぽっかり空いた空間に犯罪者であるタイムトラベラーが送られてくるタイミング、そしてルーパーのジョーが銃を放つタイミング。(と、ラッパ銃の衝撃音の大きさ)

完璧。

通常の映画内効果音よりも少し大きめ?に感じられる程の銃の射撃音の衝撃と、表れる→撃つ の展開があまりにも瞬間的すぎるために理解が追いつかずに脳内を揺さぶられる、あの感じ。

絶妙でした。その後の展開への期待にゾクゾク。

二重三重の伏線が貼られたSF展開

この映画が他のタイムトラベル系作品と一線を画している部分は、現在のジョーと未来のジョーが麺と向かって対面し、同じ世界でそれぞれに目的を持って動くという点なのかなと思います。これ系の作品では、「過去の自分には会ってはいけない」が暗黙のルールです的な所があるんですよね。タイムトラベル系作品って。この作品では、それをいきなりぶち破る。そして更に、早々に「これはループ作品ですよ」と、自ら丁寧にしかも詳細はあらすじ付きで伝えてくれている所も面白さの秘訣なのかなと。

未来から送られてきた自分のループを殺した(殺しそこなったverにて、ビルの非常階段から落ちた時点から回想スタート)ジョーがその後の余生を送る中で次第に老けていき、30年後のジョー(ブルース・ウィリス)になってゆく回想シーンがしっかりと描かれていますが、ループ系作品が大好きな人間としては、このシーンが始まった際のワクワク感ったらもう、堪りませんよね…!「なるほど!これがこうなってあのシーンに繋がっていたのか!っていうことは、ココからどう展開するの!?同じ事繰り返すの!?どうなの!?」と。頭の中の妄想で瞬時に様々なパラレルワールドを作り出し、「自分の世界観を構築しつつ、その先の物語の展開を待つ」という、最っ高に楽しい時間のスタートです。

どちらのジョーにも感情移入できてしまう

多くのタイムトラベル系作品においては、現在と未来の結果だけをまず最初に明示じ、その間の展開をどのように変えるか?を描く事が映画の内容になる場合が多いんですよね。でもこの作品がおもしろいのは、バッドエンディングとして一度、世界が一周してしまった後に、「今度の人生ではジョーはいったいどうするのか?」がメインの内容になっている所。更におもしろいのは、現在のジョー、30年後のジョー、どちらの心境にもしっかりと感情移入できてしまう展開として描かれている所なんですな。

この展開がとても斬新。

決して派手さはないこの演出なのですが、ラストシーンにはその全ての展開がしっかりと結びついてきます。個人的には、究極に切ないけれども映画らしい、素晴らしいラストシーンだったと思います。

シド役のピアース・ガニォンくんが恐ろしい程に怖い

あとはコレです。シドくんの語る淡々とした大人びたセリフと表情、めっちゃリアル。セリフは英語なので、ネイティブの人が聞いたらどう聞こえるのかわからんけども。とにかく雰囲気が凄まじく出ています。

ピアース・ガニォンくん、ジョージ・クルーニー主演の最新、トゥモローランドにも出演されているそうなので、是非見てみます。

監督は新スターウォーズEP8のライアン・ジョンソン

そしてこちらの作品LOOPERの監督ライアン・ジョンソンは、2015年12月から公開予定の新スターウォーズシリーズ、エピソード8の監督に早くも決定している超注目人物でもあるんですよね。ちなみにスターウォーズ・エピソード7の監督はご存知、J・J・エイブライムズ監督ですね。JJさんからのバトンを受け取るライアン監督。すげぇ。(ちなみにエピソード9は再度J・J・エイブライムズ監督を務める説が濃厚だそう(2015,3月時点での情報))

ちなみにライアン・ジョンソン監督、僕が心の底からオススメするあの超名作海外ドラマ・ブレイキングバッドでも2話ほど監督を務められたそうな。個人的には今後、ライアン監督の作品に釘付けになりそうです。

まとめ

同じくHuluにて配信中の作品でいうと、12モンキーズ(ドラマ版)もオススメですよ。

「デジャヴ」と「きみがぼくを見つけた日」もおもしろかったんだけどな。今はHuluで配信していないようです…Huluさん、再配信求ム。

コメント

  1. […] ちなみにep8の監督は、名作SFサスペンス映画「LOOPER/ルーパー」監督のである、ライアン・ジョンソン監督。ルーパーはスタイリッシュな映像とテンポの良い展開に加えて、胸が苦しくなるほどの切ないラストがとても印象的な隠れた名作なので、ep8の公開前にはぜひともチェックしてみると良いかもです。 […]