先日、「手と指を探求する」というテーマのボディーワーク・ワークショップに参加してきました。
特に仕事で身体を使っている人を対象としたものではなく、”身体に興味がある人であれば誰でも参加OK”というオープンなセミナーでしたが、参加者さんの中には鍼灸師さんやヨガの先生といった身体関係の仕事をされている方が何名か。
そして興味深いことに、残りのほとんどの参加者さんは、過去にどこか身体を壊した経験のある方ばかりだったこと。みなさん、一度、大きく健康を損なうことで、あたりまえに身体が動く事の大切さや重要性に気付くようですね。。
できるならば身体が健康なうちから日常の自分の身体に興味を持つと、いろいろな怪我や病気の兆候に敏感になり、それさえも未然に防ぎたいものですよね。
photo credit: photographer padawan *(xava du) via photopin cc
で。
今回のワークショップのメインテーマは「手指」。
僕自身は仕事柄、手と指はかなり酷使するパーツなので(というか手を使わずに出来る仕事なんてほとんどないのかもしれませんが笑)、参加前からどんな内容のワークとなるのかとワクワクでした。
そして参加後の率直な感想としては、前回以上に「身体って不思議だなぁ…」という驚きを感じたとともに、手指が身体に与える影響の大きさと、その解放が身体の各部に与える影響の大きさを改めて実感しました。
手と指についての考え方
まず、今回のワークに参加して初めて気付いた手指についての考え方。
手を握るにはgripとgraspの二種類がある。
gripは親指、人差し指、中指。
graspは薬指、小指。
gripだと「意志を持って握る」っていうイメージだけど、graspだと「ホールドする」というような身体の使い方になるらしい。剣道の竹刀とか野球のバットを握るときの、手の下の方のイメージですね。
で。
親指、人差し指、中指は主に肩甲骨周りあたりの背中側に影響し、
薬指、小指は鎖骨下、大胸筋あたりの前側に影響しやすい。
この考え方は個人的にちょっと意外でした。
親指側は橈骨側を伝って烏口突起あたりから大胸筋に影響するのかな?と思っていたのですが、実は背中側にも大きな影響を及ぼしているそうなんですね〜。もちろん前側にも影響はあると思いますけどね。
考えてみると、PCでのデスクワークや事務仕事のお客さんなんかは、鎖骨の下あたりがガチガチに固まっている事が多いんですよね。これはもしかすると、タイピングの際に、普段は使い慣れていない薬指・小指を酷使する事が多いからなのかもしれないな〜とふと思いました。薬指・小指のリラックスが、首肩の解放に繋がる鍵になるのかも。
PC作業からくる肩こりの人には、今度からは薬指、小指から尺骨側の固まりに注意を向けて見てみようかなと思います。
セッション内容について
実際のセッションの内容としては、前回の内容のようにクライアントとプラクショナー(施術者)の感覚を探る所からまずスタートし、その後に指へのワークと移りました。
指のワーク内容としては、大きく分けて二つ。
①クライアントさんの指の下に自分の手を置き、指を預けてもらう。
②プラクショナーの薬指と小指でクライアントさんの指をgraspし上に持ち上げ、クライアントさんの肘下を軽く支えながら手の重さを感じてもらう。
ちなみに①に関しては3パターンに分けて指を預けて貰うんですが、一つは人差し指・中指グループの下に手を置くこと、二つ目は小指・薬指グループの下に手を置くこと、そして三つ目は手の手根部分の中心(尺骨と橈骨の間あたり)に人差し指を添えること。
それぞれの指の下に、プラクショナーの指を重ねるだけのイメージですね。
どのタッチも力は一切必要とせず、ただ添えるだけの、超ソフトなタッチ。プラクショナーがクライアントに触れることで変化を起こすのではなく、クライアント自らが変化を起こしそれを感じる過程を少し手伝ってあげる、というイメージのタッチでした。
僕が感じた、ワーク中の変化
実際のワーク中では、指を預ける度に身体のどこかの部分の変化を、その都度じんわりと感じました。
おもしろい事に、人差し指・中指を預けた際と薬指・小指を預けた際の反応が違っていた事。これは左右によってもけっこう違ってきます。恐らく、それぞれの指が身体のどこに影響を与えているかによって、反応が変わってくるのだと思います。
そして僕の場合、ロルフィング10シリーズのセッション中にも感じたように、顔周りの緊張がどんどん緩んでいく印象がありました。指の緊張が顔に出てるのかな…??顔をしっかりと動かす事を日々、意識しようと思いました。笑
そして仰向けでのセッション後に、椅子に腰掛けた状態にて、クライアントの親指だけをgraspし、肘の下をもう一方の手で軽く支え、その状態のまま脱力してもらって上下左右に動かすというワークをやったのですが、これがまた面白かったんですよね〜
変化を特に感じたのが、肩甲骨の周りあたり。
例えば自分の力で「腕を動かす」となると、肩甲骨に力を入れずに動かす事は物理的に不可能ですよね。でもこのセッションの場合、腕の力は全てプラクショナーに預けているので、「力が抜けている状態で肩甲骨を動かせる」という、なんとも不思議な感覚になるんですね〜。そしてその状態で腕を上下左右に動かしてもらうと、肩甲骨の位置が次第に下がってくる事が自分の感覚でも実感できます。この間、たった5分程度。
掴まれていた親指を離して左右の肩を感じてみると、おもしろい位に力の抜け方が違う事に気付きました。
ワーク後の変化
今回のワークは手指を中心としたものだったので、僕としての変化は手・肩・顔周りの緊張の緩みが特に大きく感じる事ができた部分でした。
セッション後に軽く歩いてみると、腕の重さがなくなったように軽い感じ。背中の緊張も軽くなった印象で、呼吸もゆっくりと落ち着いた感じがしました。
下半身も少し軽くなった感じはありましたが、上半身程ではないかな?といった印象でしたね。
まとめ
筋肉を全身を走るロープに例えるとするならば、手先や足先といった身体の端は、そのロープを支える要となる所です。
その先端を解放することでの身体への影響は、やはり想像以上に大きいようですね。
ちなみにこのセッションは、足の指でも有効だそうです。
手だけのワークでもこれだけ大きく変化を感じる事ができたので、足へのセッション時の下半身の変化もとても興味深い反応を感じる事ができそうな気がします…!
機会があれば試してみようと思います。