自分の指先を最後に触った時の事って覚えていますか?

カラダのこと
photo credit: Victor Bezrukov via photopin cc

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誰かに手を握られたり背中を叩かれたりすると、軽くタッチされただけでも、ふっ…と手や背中が軽くなる。

そんな経験って、ありませんか?

本日はそんな「感覚」のお話。

自分の身体の存在、気付いてますか?

仕事柄、人の身体に触れさせていただく機会は多いのですが、よく、「手の平って揉んでもらうと気持ち良いんですねぇ〜」「足の指先を少し押してもらうだけですごく足が暖かくなります。」なんていうお言葉をいただいたりします。

これ、何で手や足を触るのが気持ちよく感じるか?というと、もちろん筋肉が緩むからっていう理由もあるんですが、ちょっと踏み込んだ言葉で言うと、”自分の身体がそこに在る”っていうことを、脳が改めて認識してるからっていう理由もあります。背中や肩を軽く叩くと気持ちよかったり、冬場にちょっと重みのある布団を被ると何だか妙に落ち着いたりするのも、外部から身体に何らかの刺激が加わる事で、身体の存在を認識できるから。

つまり逆を言うと、僕らは現代の日常の忙しさの中で自分の身体の感覚を忘れがちになっているとも言えると思います。

意識して指先に触れてみる

自分の指に「意識を持って」触れた、もしくは触れられたときの事って、覚えてますか?

爪を切るとかネイルを塗るとかじゃなく、”指の存在を確認する”というイメージで指に触れた機会ね。

 

…これ、たぶんほとんどの人が覚えてないのではないでしょうか?

 

僕らってそれくらい、日常の中で自分の身体に対しての関心が薄くなってしまっているんですよね。

いろんな情報を外に外に取りにいくことに必死になってしまって、何よりも近くにあるはずの自分の身体の事にまで意識を割く事ができない。情報が氾濫してしまってしている現代だからこその傾向だと思います。

内側の感覚に耳を澄ませてみる

そんな外向きなあなたの意識を、今一度少しだけ内向きにしてあげるだけで、自分の身体の感覚ってびっくりするくらい変わってきます

これ、姿勢を整えたい方なんかにもぜひ一度実践してみて欲しい事なんですよね。猫背って、自分の意識が前に前に行ってしまってたり、自分の意思を胸の内側に無理に押し込めてしまっていたりする感覚も原因になるので。

一流モデルさんって自分の意思がハッキリしている人が多いですよね?恐らくですがそれって、仕事柄、身体の軸をしっかり保つ姿勢を長時間キープしているため、そのぴしっとした姿勢の影響が性格という内面にも出てるんだと思います。

”心地よい”は、内側から感じるモノ

最近読んだ本に、おもしろい表現がありまして。

身体とその感覚に意識的に気付く事によって、あらゆる体験は更に鮮明になります。重要なのは、心地よさの体験は、あなた自身の感覚からくるのであって、椅子やソファや何であれ、あなたが座っているものの表面からくるのではないということに気付く事です。

なるほどーーーー。っていう感じ。

簡単に言い換えると、「僕らが”心地よい”って感じる感覚ってあくまで”僕ら自身”がどう感じているか?で左右されるものなので、目の前のソファの硬さや材質がうんぬんって関係ないんだよね」っていう事。極端な話で言うと、たとえその椅子が硬くたって、「俺が心地よいから心地よいんだ!」っていう感覚ですね。ジャイアンですね。あんたの意思が大事なのよ!と。

これ、「心と身体をつなぐトラウマ・セラピー」っていう本で紹介されていた”フェルトセンス”っていう感覚の説明として挙げられてた事例です。(「フェルトセンス」って、言葉での説明がちょっと難しい概念なので、ご興味あれば本やネットで調べてみてくださいね。僕は簡単にイメージしてもらうらめに「身体感覚」っていう言葉に置き換えて考えてます。)

このフェルトセンスっていう感覚って、実は現代人にとってかなり大事なんじゃないかなーと思うんですよね。

今まで身体に着いていたけれども気付かなかった、頭や腕や太ももや脚っていうパーツそれぞれについて、改めてその感覚を感じてみる。そこに身体が「在る」っていう感覚を持つと、自分の身体の感覚がもっと鮮明になってくるんですよね。

よく”運動神経が良い”って言われる人って、自分の身体の各パーツにまでしっかり意識を向ける事が出来る人の事を言うんじゃないかなと思います。

ボールを投げる時、自分の下半身から腰から腕に力を伝えて、さらにリリースの直前の指先まで感覚を研ぎすます事ができる。しかもそれを無意識のうちにやってしまう人が、運動神経が良いと言われるんでしょうね。

フェルトセンスを体験的に理解するエクササイズ

この本に載っていた、フェルトセンスを体験的に理解するためのエクササイズがおもしろそうだったのでちょっとご紹介。

あなたがこれをどこで読んでいても、できるだけ楽にくつろいだ姿勢を取ってください。(できればリラックスした服装で仰向けで横になる体勢だとベスト。)

あなたの体が、あなたを支えているものの表面にどのように触れているのかを感じてください。

皮膚を感じ、服の感覚に気付いてください。

皮膚の奥を感じてみてくださいーどんな感覚がありますか?

また、体の感覚を思い出させるエクササイズとしてこちらも使えそう。

毎日10分間ほど、やさしいマッサージシャワーを浴びてください。

心地よいと感じるくらいのぬるめのお湯で全身にマッサージシャワーを浴びます。

シャワーがリズミカルに刺激する身体の部分に完全に注意を向けてみましょう。そしてシャワーヘッドの動きに合わせ、身体の各部に意識を移動させてください。手の甲、手の平と手首、顔の両側、肩、わきの下など、身体のすべての場所に必ずシャワーをあてましょう。

これを行いながら、「これは私の頭だ。首だ…そこにしっかり存在している」と、自分自身に語りかけましょう。

これはボディーワークによくあるエクササイズに近いかも。外部から刺激を与える前に、まず自分の中の状態を知る。みたいなね。

ちなみにシャワーのエクササイズは恋人同士で試してもらうと、いろんな意味でさらに効果が高いのではないでしょうか?

(´・ω・`)

まとめ

軽くトントンと身体を叩いてあげるだけでも、忘れてた身体の感覚って戻って来ます。

たまにはカレや彼女をいたわるつもりで、全身をパタパタ叩きつつ、身体の存在を改めて伝えてあげてくださいな!

↑ちなみにトラウマって実は心だけじゃなく、身体にも影響しているらしい。トラウマの原因を人間の持つ本能から解説したおもしろい本でした。