映画「チャッピー」の鑑賞後にもオススメです。「第9地区」の感想

アラサー男子の日常

チャッピーを見てニール・プロムガンプ監督の他の作品に興味を持ち、評判の良かった「第9地区」を早速レンタルで見てみました。(※今回もいつも同様、ネタバレありですよ)

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チャッピー同様、斬新な展開のSF作品

「ある日、ヨハネスブルグの上空に突然現れ静止した巨大宇宙船の中にうごめいていたのは、大量の瀕死のエイリアンだったー」

この映画の冒頭のワンシーンのみをこういった文字で紹介してみると、「瀕死のエイリアンが地球にて生き延びるため、人間を攻撃してくるSF映画か…!?」と条件反射ならぬSF反射的に想像してしまうかもしれませんが、この作品においてはそんなシンプルなSF展開ではございませんでした。

エイリアンやら人が粉々に爆発したりエイリアン特有のぬるぬるな表現があったりとなかなかにエグいシーンも多い映画でしたけれども、今までに見たことがないような斬新な展開も多く、評判通りに面白い作品でしたなぁ。

これまでにも割と様々なタイプのSF作品を見ているつもりでしたが、地球にやってきたエイリアンに居住区を与えるという展開の作品は、僕は今までに見たことがありませんでした…そして物語の導入部分では、人間の代表者であるヴィカスがその居住区に住むエイリアンたちに対して立ち退きの要求を行う、というタイプのSF作品ももちろん初めてでした。

更には、その立ち退きの合間に垣間見られるエイリアンのスラムでの生活ぶりや振る舞い方を見るたびに、見た目は完全に昆虫人間のようなエイリアンにさえ、次第に人間らしい愛着が湧いてくるのだから、不思議。

 

ただのSF映画ではなくチャッピー同様、考えさせられる部分も多い作品でした。

物語のキーとなるのは、そのエイリアンの中でもひときわ高度な知能を持った「クリストファー」と呼ばれるエイリアンなのですが、そのクリストファーさん、その立ち振る舞いが素晴らしく紳士かつ、自分の子供想いの優しいエイリアンなんですよね。

成長したチャッピーも人間以上に人間らしい部分を多々持ち合わせたドロイドでしたが、何とクリストファーはそれ以上に賢い。賢いが故に居住区である第9地区からの立ち退きを要求するヴィカスに正論をぶつけてしまい、その正論がアホなヴィカスの神経を逆なでし、逆にクリストファーさんの20年間にも及ぶ大計画を危機に晒してしまいます…

人間らしい理知的なエイリアンと、エイリアンのように残虐な人間

え?コレ、どっちが人間らしいの??

って言いたくなってしまいましたよね。思わず。

相手の意見に全く聞く耳を持たず自らの要望を力技で押し通す事が人間らしいと言うのか、相手との無駄な衝突をなるべく最小限に抑え、双方に対して納得の行く方法をお互いに相談・模索する事を人間らしいと言うのか。

 

でも、ニール・プロムガンプ監督の作品の面白さはココなのかなと思うんですよね。最新作のチャッピーにも繋がる部分は多くちりばめられておりました。

チャッピーを見た後からでも、十分にオススメです。第9地区。

あと個人的には好きですね〜。この映画のようなラストシーン。