喫煙時と依存症時に脳内で起きている変化の原因から、自分なりにその対策を考えてみた。

カラダのこと

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先日、永江さんによるタバコに関するこの記事を見まして。

 

煙草を吸うと頭がしゃっきりは正しいが、煙草を止めるともっとしゃっきりするぜ | More Access! More Fun!

 

大変分かりやすく、かつ興味深い記事なんですよね〜

記事の内容を簡単に要約しますと、「喫煙者がタバコを吸うと脳がシャキっとする」というのは脳波の数値という観点から言うと、タバコを吸うことによって数値が上がるために確かにその通りなのですが、一方で実はそれは気のせいでもあって、これ、簡単に言い換えますと、マイナスがゼロになっているだけなんだそう。

つまり喫煙者さんは、普段の脳波のレベルが非喫煙者に比べてマイナスすぎるために、タバコを吸うことでようやく脳波が普通の人レベルに戻るってことみたいですね。

 

お金払って、マイナスをゼロにするって…(悲)

 

そして、ちょうど最近に僕が読んだ本で「脳内麻薬」という本がありまして、内容としてはドラッグやギャンブルやタバコなどの各依存症と呼ばれる症状になるとき、僕たちの脳内ではどんな反応が起こっているのか?について記された本だったのですが、その内容と永江さんの記事にとても繋がる部分がありましたので、個人的な考えのまとめをしておこうかなと思います。

ポイントはアセチルコリンの”受容体”

共通するポイントは、ドーパミンが放出されるきっかけとなる物質、アセチルコリン。

  1. アセチルコリン(Acetylcholine,ACh)は神経伝達物質である。 副交感神経や運動神経の末端から放出され、神経刺激を伝える。 コリンの酢酸エステル化合物。 化学式は CH3COOCH2CH2N+(CH3)3

まず前提となる脳内の機能としては、僕らが快感を感じるときには脳内に「ドーパミン」という、かの有名な神経伝達物質が分泌されているときでありまして、そしてこのドーパミンが分泌されるには「アセチルコリン」という神経伝達物質が、「アセチルコリン受容体」という受け皿に到達する必要があるわけなのですね。ちなみに、このアセチルコリン受容体を持つ脳内のパーツのことを、脳内麻薬の本の中では「脳の報酬系」と呼んでおります。

その流れを簡単にまとめると、

アセチルコリンが出る

アセチルコリン受容体(脳の報酬系)がアセチルコリンをゲット!する

ドーパミン、発射

となる訳です。

 

そして永江さんの記事内で解説されていたように、喫煙者がニコチン中毒になる原因は、ニコチンの化学構造がこのアセチルコリンの化学構造に似ているからだそうでして。

つまり、アセチルコリン受容体がニコチンをアセチルコリンと間違えてゲットしてしまい、「アセチルコリン、ゲット!」と勝手に勘違いして余計にドーパミンを発射してしまうことで、脳内に通常以上のドーパミンが発射され、脳内がお花畑になる訳ですな。そして記事にもあるように、アセチルコリン受容体は、脳内に今ある受容体でゲットし切ることができない程のアセチルコリン(喫煙者の場合、これがニコチン)が余ってしまっていると、なんと脳はアセチルコリン受容体を新しく作ってしまうそうな。

で。いざ、タバコを吸い終えて時間が経ち、アセチルコリンが適量に戻った際でも、その時にはもう受容体が増えすぎてしまい各受容体に適量のアセチルコリンが行き渡らないがために、頭がぼーっとした感じがするそうな。

すごいですよね。足りない受容体を自動で増やしてしまうほどの、脳のハイテク機能って。

 

これらのことから、ふと思うこと

依存症の対策として考えられるのでは?と思ったことは、大きく分けて2つ。

①無駄に増えてしまったアセチルコリン受容体は、減らせる?

偽アセチルコリンことニコチンを必要以上に吸収するために、脳内にて無駄に増えてしまうというアセチルコリン受容体。

これってさ、増える事がるのであれば、逆に減る事もあるのではないでしょうかね?残念ながらネットで探してみた程度では、”減る”事に関して述べている記事を見つける事はできませんでしたが…

もし減ると仮定すると、どうやったらアセチルコリン受容体は減るのか?という所なのですが、単純に考えると、アセチルコリン受容体を使わなければそれだけ減るのではないかな?と想像します。

そしてここからは更に想像なのですが、受容体を使わないために必要な事=アセチルコリンとアセチルコリン受容体の量のバランスを整える事。そのために考えられる具体的な方法としては、

①タバコを吸いたい・ギャンブルをしたい等の気持ちを、気合いで我慢する

②今残っている受容体の、個々の吸収力をUPさせる

のどちらかになるのかなと。そして②の具体的な方法というものが、座禅や瞑想といった精神安定を目的としたワークになってくるのでないのかな?と思います。

個々の吸収力をUPさせるということはつまり、今までは小さな快感としか感じなかった刺激を、充分な刺激、小さくとも幸せな刺激だと感じる、「受け取る感覚」を伸ばすことに繋がるのではないかな〜思った次第でございます。

②ニコチン等による人工的なドーパミン増加現象を、自然由来の別のもので置換する

もう一つの仮説が、これ。

素人考えかもしれませんが、ドーパミンが放出される方法はタバコ以外にも美味しい食べ物を食べた時や美しい絵や景色を見た時など、たくさんありますよね。つまり、本気で禁煙するのならば、タバコ辞めると同時に脳にドーパミンをもたらす「報酬系」を刺激するような、タバコに変わる何か新たな刺激的な取り組みを始めることが効果的なのではないのかな?と思います。

例えば軽くスポーツをするでも良いし、少し興味があった趣味や習い事を始めてみるでも良いし、行きたいスポットへ出かけるでも良いし。

ちなみに禁煙に成功した僕の友人は、タバコを辞めると同時に何気なくやりたいなと思っていた登山を始めた所、その楽しさと山の空気の気持ちよさにどっぷりとハマってしまい、スパッとタバコを辞めることができたと言っていました。これまさに、今まで脳内がニコチンに依存していた部分のドーパミン放出のスイッチを、登山の心地よさの刺激によるドーパミン放出がその代役となった結果なのかなと思います。

脳の中って、奥が深いですねぇ。

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