おもしろい…
いや~…めちゃくちゃおもしろい…!!「ハウス・オブ・カード~野望への階段~」(日本版のサブタイトル、いらないのでは…?)
最近シーズン1を見終えました、アメリカ・ワシントンの議会を舞台にした、政治がテーマのドラマです。
しかし、監督はあの「ゴーン・ガール」「セブン」のデヴィット・フィンチャー、そしてシーズン1の制作費100億円という超大作であるこちらのドラマがただの堅苦しい政治ドラマな訳もなく、エミー賞を受賞したあのブレイキング・バッドに並ぶ超大作です…!(こちらのハウスオブカードもエミー賞の多くの分野にノミネートされております)
一言で言うと…
「超濃厚な、”ブラック”ヒューマンドラマ」
です。
あらすじ
4つの政権を見てきたベテラン下院議員フランクは、自分が応援する大統領候補ウォーカーが当選すれば自分もホワイトハウス入りし、国務長官になれるという約束を信じてきた。ウォーカーは当選するが、フランクのホワイトハウス入りはバスケス首席補佐官に反故にされてしまう。“この屈辱を忘れるな。” 復讐に燃えるフランクは、ホワイトハウスを揺さぶろうと決意し、静かに、そして慎重に、陰謀を実行に移していく。権力の強さと恐ろしさ、そして政界の表も裏も知るフランクは、したたかに状況を意のままに操ってゆく… ソニーピクチャーズ「ハウスオブカード公式サイト」より
元軍人でアメリカの田舎町出身のフランクが、自らの野望の達成のため周囲の人間の心理や行動を巧みに動かし、その腕一本で政界の中心人物へと成り上がって行く…という、フランク・アンダーウッドと登場人物各々の腹黒さが渦巻く、”とっても人間臭さの溢れる”ヒューマンなドラマ。
ただし!ほっこりとするヒューマンではなく、「そうそうそうそう人間ってこういう腹黒い所あるよね…」という、ブラックな(?)方のヒューマンです。
このドラマの、どこに1番惹きつけられるか?というと、主人公である議員フランクの究極のインテリヤクザっぷりを余す事なく堪能できるからなのかなと。現実世界ではなかなかあり得ないような奇跡の連続を並べたような綺麗すぎる夢物語を描いた作品ではなく、人間と人間との腹の探り合いや金と権力の力の強大さと怖さが、超リアルに見事に表現されています。
僕はまだシーズン1を見終えた段階なのですが、しかしフランク、黒い。どす黒い。ここまでくると逆に爽快であるくらいに、黒い。笑
フランク・アンダーウッドのインテリヤクザっぷり
そのフランクは一体、何が凄いか?というと、その時々のシーンにおいてのキーマンの心をがっちりと掴むのが凄まじく上手いんですよね。いや、心を掴むというか、半分は脅しのようなものなんですけども、ねw それにしても、自分の大きな目的を達成するために必要な人に対して、大きな恩を売る事が素晴らしく上手い。
ちなみにこの作品におけるフランクの根回し力を学ぶため、ハウス・オブ・カードは世のビジネスマンの方々にもウケているそうな。
シーズン1後半のラストは海外ドラマの例によって次シーズンがめちゃくちゃ気になってしまう絶妙な終わり方をしていましたが、この先どうなるのか…!!
早速、TSUTAYAさんまで走ってきます。
画面外の視聴者に語りかけるフランク
さらにこの作品を魅力的に見せているポイントが、こちら。作品内の随所にてフランクが画面の向こう側にいる僕たちに対して、現在の小難しい政治的な状況や重要人物が奥に秘めた心理状況を、絶妙なユーモアを交えつつ、とても分かりやすく解説してくれるのです。これによって視聴者である僕らはあたかも自分がフランクと一心同体であるような感覚を感じ、フランクと共に政界内を支配していくような錯覚に浸ってゆきます。
ドラマ内では周囲に対する絶対的な威圧感を常に漂わせるフランクが、それを外から見ている僕らに対しては、優しくかつ友好的に接してくれる。
この”アメとムチの使い分け”も、ドラマのおもしろさの一つなのかなと思います。
ドラマのストーリーにはオバマ大統領、安倍首相も注目!
この作品のシーズン2がアメリカにて一挙に放送される日の前日には、オバマ大統領がツイッターにて、
「お願いだ。
明日はハウス・オブ・カードのネタバレをしないでほしい」
とツイートされていた事でも話題。そして日本の安倍首相がホワイトハウスにて行われた公式夕食会時のスピーチにて、この作品を引用したジョークを言った事でも話題でしたね。(ーホワイトハウス公式夕食会、安倍首相がジョークで笑わす)
ちなみに、僕はクーリエジャポンさんでハウス・オブ・カードが紹介されていた記事を見てこの作品に興味を持ち、以前Huluで配信されているのは知っていたものの、今まで食わず嫌いであったこの作品を見始めましたのです。
もっと早くからHuluで見ていればよかったよ…!
まとめ
ブレイキング・バッドが好きな方には、ぜひ見ていただきたいです。
アメリカではオンデマンドネット配信会社「Netflix」が自社のビッグデータを活かした上で予め大ヒットを予測した上にて製作し、結果、テレビでは一切放送されていないにも関わらず、”テレビ界のアカデミー賞”とも称されるエミー賞を受賞するまでの大ヒットとなった、ハウス・オブ・カード。
今後の世界中でのドラマの制作方法、スポンサーからの制作費提供が主ではなく、自社の資金投資による、ドラマのクオリティに重きを置いた製作が主流になってくるのかもしれまぬ。
あとこれは政治問題に無知な僕だけなのかもしれませんが、「ロビイスト」という言葉とその役割について少し理解を深めてからこの作品を見ると、より分かりやすいかもです。
フランク・アンダーウッドの名セリフ
ハウス・オブ・カードシーズン1の内にて、個人的に刺さったフランクのセリフをいくつかご紹介。
痛みには2種類ある 成長に必要なものと、ただ辛いだけの無益な痛み
私は”無益”を憎む
こんな時に必要なのは 不快に耐え やるべきことをやる人間だ ー第1章ー
愛している
私の生存に必要な女だ ー第1章ー
火曜日は下院議長と院内総務に会う
大した集まりじゃない
二人の顔に塩をふって炒める想像をしていれば終わる ー第2章ー
富など10年で崩れるフロリダの豪邸のようなもの
権力は数世紀先まで残る堅牢な石像建築だ ー第2章ー
権力者にノーを言うのは勇気がいる
だが敬意を勝ち取るには効果的な手だ ー第6章ー
人間は自らが明かすかぎりの存在だ ー第7章ー
巣立ちを望むならどれだけ飛べるか試すがいい ー第9章ー
最も大切なのは ”私を驚かすな”だ ー第9章ー
偉人の言葉だ
”人生は全てセックスのため”
”セックスは権力のため” ー第9章ー
知らせを待つのは嫌いだ
何もできず憶測するのみ
無益な時間だ ー第10章ー
人生 痛みは避けられないのに
子を作るなんて利己的だ ー第11章ー
コメント
[…] […]
[…] 海外ドラマ「ハウス・オブ・カード」のS1〜2でのフランクにも共通する部分があったんですけど、デッドプールでは主人公のウェイドが、常に観客に向かって話す話す・語る語る。個人的には画面の中に吸い込まれるような映画ももちろん大好きなんですけど、この作品に関しては画面の中に力づくで、グイグイ引っ張られる感じ。オープニングの入りから既にウェイド節が大炸裂でしたし、更にオープニングのクレジット表記が最高な紹介のオンパレードでしたし(ぜひ実際に観ていただきたい!)、エンドロール後のおまけシーンまでグイグイくる。 […]
[…] ちなみに僕、実はダミアン・ルイス作品をちゃんと見るのは初めて(HOMELANDは途中でドロップしてしまったので、これを機に再チャレンジしてみたいと思います。。)だったんですけれども、やっぱり映画やドラマは俳優の見た目ではないですなぁ(失礼)。リアルにあんな感じのヘッジファンドのCEO、いそうですもんね。常に周囲が見ている目の前の現実から二歩三歩も先の世界が見えていて、ボビーが社内を歩いているだけでも緊張感や威圧感がハンパないあの感じ。一方で、たまに社内セラピストのウェンディや奥さんにだけたまに見せる、少しだけ弱気だったり悩んだりするあの一面に、またキュンとしてしまったり、ね。ボビーのこの辺りにキュンと来た方は「ハウス・オブ・カード」もオススメかと思います。 […]