「USJのジェットコースターはなぜ後ろ向きに走ったのか?」
なかなかキャッチーなタイトルの本ですよね。
気になって一気に読んでしまいました。
この本、
USJ(ユニバ)好きの人
にはぜひ読んでいただきたい本です。
あと、
ハリーポッターの新エリアを超楽しみにしている人
にもぜひ読んでいただきたい本です。
なんでかというと、内容の半分以上はハリーポッターの新エリア完成までの道のりを辿っているのです。たぶん今年7月のオープンに向けての広報・ブランディングという狙いもあっての内容なのでしょうけどね。
でも普段はなかなか知る機会の少ないテーマパークビジネスの裏側を少し覗くことができる、おもしろい内容でした。
ビジネス本だけども”世界最高”への徹底した熱意を感じることができる本
これおそらくビジネス本の部類に分類されると思うんですが、個人的にはビジネスについて書かれた部分よりも、ここ数年で森岡さんがユニバをいかに変化させていたか?というドキュメンタリーの部分が特におもしろかったです。
この本、内容は2つの視点から楽しめる本で、マーケティングに関する分かりやすいビジネス本としても読めるし、またここ数年のUSJの盛り上がりの裏側にあった壮絶なドラマを知りたい人にもオススメだと思います。
著者であるユー・エス・ジェイCMOの森岡さんが、昔からどれだけ遊び好きでどれだけテーマパークが大好きかがめちゃくちゃよく伝わる本。この本の全編を通して(!)語られている、著者の森岡さんのゲームや遊び、そして何より世界中のテーマパークに対する愛を辿って行くと、好きな事を仕事にするって最高に幸せだなと思います。
「自分が心からのめり込める程に好きな事を徹底して極めると、どんな事でも仕事に生かせるものである」
と言われている気がしますなぁ。
やりたいことやるって大事。
ディズニーとは全く異なる戦略のユニバ
僕自身も大阪在住時代に2回ほどユニバに行った事がありましたが、ユニバってディズニーとは全く異なった驚きが沢山あったことが印象深く残ってるんですよね。
「テーマパークは”こう!”という固定観念は捨てて、今までにない事をどんどんやろう!」っていう勢いがあって、なんか好きなんです。
初めてユニバに行った際に特に印象深かったのが、アトラクションのターミネーター。館内に入場する前、プレゼンテーションルームにて繰り広げられる綾小路さんのゲストいじりの抜群の切れ味に、さすがは大阪クオリティの会社だなと感動しました。
そんでもって近年のハロウィン・ホラーナイト開催時のターミネーターゾーンが、毎年、すごく完成度が高いんですよね。バイオハザードやら貞子やら。未体験の方はぜひハロウィン時に一度、挑戦してみていただきたい!あ、その際は優先入場券をオススメします。普通に並ぶと6時間とか並びます(笑)。
そんなユニバの素晴らしい演出や企画は近年、なぜ次々と生まれてくるのか?っていうと、その影には森岡さんの活躍がかなり大きかったようですね。
バイオハザードのアトラクションのオープニングは、マジですごかった…orz
マーケティングには問題のなぞなぞ化とストックの量が鍵
森岡さんの提唱するイノベーション・フレームワークという考え方もおもしろいものでした。
こう…カタカナで書くとなんやら専門的でちょっと取っ組みにくい感じのしてしまう言葉かもしれないんですが、言い換えると「問題をいくつかの必要条件に分けて考えて、なぞなぞ化してみる」というような感じでしょうかね。
本来はもっと複雑な確率の計算やシュミレーションも行うのかもしれませんが、この本では誰にでも分かるような簡単な言葉で、かつ実用的な手法が紹介されています。
で、個人的に思ったのは、どんな仕事でもやはり経験の量がかなり重要だな、と。遊んでいる人って、それだけ引き出しが多いですよね。仕事がデキる人ほど遊んでいるっていうのもやっぱり納得(笑)。
森岡さんの場合はそれがゲームや遊びや世界中のテーマパーク巡りであったそうですが、それが何であってもやはり、いろんなものを自分で調べて自分で体験している人は、アイデアの引き出しがどんどん増えていきますよね。
僕の、やったことがない事、行った事がない場所ほどワクワクするこのややこしい性格もいつか仕事に生かせれば良いのだけれど…(/Д`)
まとめ
7月のハリーポッターエリアオープンまで、あと僅か。
オープン前にこの本を読んで、森岡さんの夢と希望と冒険とロマンを感じていただきつつ(?)、企画から実行までの4年間の歴史を辿った上で改めてホグワーツ城を見上げていただくと、また違った感動を味わう事ができるのではないかなと思います。
ー追記
ハリーポッターシリーズ全8作の劇場動員数7,800万人って、スタジオジブリの全作品の観客動員数を合計してやっと同じ暗いらしい。驚きですわ…