インターステラーを観た感想。これほどまでに時間の大切さについて考えさせられる映画があったであろうか??

アラサー男子の日常

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観てきました。

「インターステラー」

 

今年、最高の…

いや。

個人的にはここ数年の映画の中で、

最高傑作

でした。

 

いろんな意味で予告編にヤラれましたよ…あの予告編の裏側に、こんなにも壮大な世界が待っていたとは。

あ、基本的には映画や海外ドラマエントリーに関してはなるべくネタバレはせずともどれだけその作品がおもしろいか?を言葉にて表現していきたいなぁと考えている僕なんですが、この作品に関しては

無理です。

事前に公開されていた情報と実際の内容にギャップがありすぎてw

 

ということで以下の記事にはネタバレもちょこっと含みます。

※でもこの映画に関しては映像と音楽とストーリー展開が素晴らしすぎるので、内容を知っていても劇場で見ていただくと圧巻の3時間だと思います。

”父娘愛”・”SF作品”のどちらから見ても楽しめる

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まず、ネットでよく見るこの映画のテーマとしては「父娘の愛」がメインだよねと表現されていることが多いかと思いますが、もちろん父と娘の絆に涙するシーンは3〜4回くらい(!)あるのですが、それよりもSF作品好きな者としては、超ロジカルなSF展開がドツボ!の、映画史に残るべき壮大な作品だと思いました。(※ちなみに僕はあくまで科学に関しては初心者の、”SF的な雰囲気が好き”レベルのSF好きです。)

さらにそれを表現する、なるべくCGを使わないがポリシーのノーラン監督の映像表現・ハンス・ジマーの音響の凄まじさは、3時間ずっと開いた口が塞がらないという感じ。

そういう意味では、この映画は見る人各々がいろいろな角度から楽しめる内容なんじゃないかなと思います。もちろん父娘愛もだし、人間愛もだし、SF要素、映像美、メッセージ性、本当に様々なぐっとくるポイントが散りばめられています。

「予告編?何だったっけそれ?」って言いたくなるような、二転三転四転するストーリー展開

「地球の終わりは人類の終わりではない」

「必ず、帰ってくる。それは宇宙を超えた父娘の約束――。」

そんな、この映画の大々的なキャッチコピーでさえ戦略的な伏線だったのだろうなぁと感じてしまうくらい、壮大なスケールが込められている映画。上映中に何度イイ意味で期待を裏切られたかわからない程。終わって欲しくない所でしっかりと次に繋がる展開があって、「次は何!?何!?どんな展開が!?」と、常にアドレナリン放出しっぱなしでした。まぁ、もともと僕の映画を見る際のスタンスが「映画の世界観にできるだけ自分も入り込んで楽しむ」なので、先を予想したりなんかは一切しないからこそ楽しめたのかもですが。

↓予告編です。

シーンに合わせて、”耳”ではなく”身体”に響く音響

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そして、劇場で観る映画の魅力として映像の迫力と音響に重きを置いている僕にとっては、宇宙空間の描写やワームホール・ブラックホール突入時の体の芯まで響くようなサウンドは身体の奥底が震えるほどの感覚でした。ゼログラビティもすごかったけれど、インターステラーはまた違った音響効果のすごさ。静寂と爆音の使い分けが絶妙。あの音響の使い方も、そういった「身体まで響く」効果を測ってのものだったのでしょうか?音の響き方が、正に自分自身がコクピットにいるのではないかと感じるくらいのリアルさだったんですよね。

TARSとCASEに萌える

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作中に登場するTARSとCASEの2台のロボットの存在感も素晴らしい。もしもスターウォーズのR2-D2がちゃんとした言葉を話すのであれば、こんな感じなんだろなぁという感じ。ユーモアセンスも抜群な、性格イケメンです。

外見はちょっと手抜きすぎないか?っていうくらいに原始的なデザインのシンプルなロボットだったりするのに、水中でも俊敏に動けたり宇宙船のレバー微調整も楽々こなりちゃったり、その動きや発言を次第に追っていくとどんどんと人間に見えてきて感情移入していってしまう。

たぶん、人間らしさって見た目じゃないんだよね。大事なのは、意思やユーモアみたいな中身なんだよね。

ぶっとびすぎない、あくまで科学的なSF表現

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インターステラーを観て改めてふと思ったんですが、僕、ジェリー・ブラッカイマー監督のアルマゲドンがかなり好きだったんですよね。で、なんでアルマゲドンがそこまで好きだったんかな?と考えてみたら、宇宙がテーマの作品ではあるものの宇宙人やらエイリアンやらは一切登場せず、あくまで「現実的に存在していそうなもの」だけで世界観を表現していたからだったんですよね。隕石上での穴掘りシーンとかね。

この作品でも、それはしっかりと保たれています。だからこそ一層リアリティがあるし、映画の世界にグッと入り込むことが出来る。

 

そしてインターステラー全体の中で個人的に最も響いたポイントは、やっぱり「時間」の表現について。お金では決して買うことのできない「時間」の大切さが、うまーく表現されているんだなこれが…

同じ時代、同じ場所、同じ時間に共に生きる事ができるってことは、現実世界では当たり前ながらも素晴らしく素敵なことなんだなぁと再認識させていただきました。現実は英語でpresentって言うけれどまさにその通り。

もっと言うと映画というものがあるこの時代に生まれて、こんなにも素晴らしい作品を形に出来る技術がある時代に育って、この作品に出会うことができたこと自体が本当に幸せだなぁと思います。

ちなみに、この映画内でのSF要素は実際の科学にかなり忠実になっているそうです。
「インターステラー」のSFっぷりは一体どれぐらいで何がスゴイのか、SF小説とかSF映画とか大好き野郎が見るとこうなる - GIGAZINE

 

この映画の監修と製作総指揮は世界で最も有名な理論物理学者の1人で、一般相対性理論の偉大な専門家、キップ・ソーンという方の監修だそうです。物理学者さんが製作総指揮の映画って珍しい。宇宙を舞台にした作品だと未知の生物、未知の惑星の表現がSF映画としては主だったけれども、インターステラーで使用されるスパイスは「時間」。それも超常現象ではなく、科学的にあり得る現象。

すごいなぁ。まさに時間の魔術師です、ノーラン監督。

”現存する人類の中で最高の天才”が出した、ひとつの答えの意味

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物語後半に、この映画の大きなサプライズともとれる超大物俳優が「マン博士」として登場します。(どんな役なのかは映画を見てみてください!)そしてこのマン博士、映画を観ている大多数からすると、完全な悪役として登場するんですね。

で、ネット上での映画を見た方の感想としては「マン博士、もっと天才っぷりを発揮してほしかった」「マン博士のシーンいらなくね?」と否定的な意見も多く見られるんですが、個人的にこのシーンから僕が思ったことは、ノーラン監督がマン博士を通して描きたかった部分というのは、人間の「人間くささ」と「逆説的なメッセージ」なのかな?と思いました。

人類の中で最も賢い超天才、言ってみれば”進化の最先端にいる現在の人類代表”的な役割の人が、この先に自分を待っているのは死だけだと理解した時、一体その人はどんな行動を取るのか?

その行動はつまり、「最先端にいる天才がとる行動ならば、今の人類の限界はそこだよ」という、人間らしさのと人類の生きる執念の凄まじさのメタファーとも取ることがとれるし、「偉い人がやることは全部正しいっていうわけじゃないよ」という、反面教師的なメッセージとも取れるのかなと。

無駄にポジティブで勝手な解釈かもしれませんが、マン博士はただの狂った悪役としてではなく、僕としてはあのシーンにこんな意味を込めたいなぁと思ったんですよね。

 

マン(MAN=人間)博士。そんな意味も込めてのシーンだったのかなと感じました。

未知の世界の映像化と鮮やかな伏線回収

そしてラスト数十分は、誰もが未知である映像表現と、やはり鮮やかすぎる伏線回収。

途中の内容や映像が濃すぎて、伏線のことを正直、忘れていましたよ…

この映画のラスト数十分の展開にはネットの意見では賛否両論のようですが、僕、個人的にはたまらなく好きです。ガルガンチュアあたりからのアレね!

まとめ

父娘の絆、時間と科学の重要性とその残酷さ、そして人間の、善も悪も含めたありのままの人間らしさ。

これほどまでに様々なことを様々な角度から考えさせられる映画というものは、おそらく数少ないのではないかと思います。脚本制作の段階からゼロベースで映画を制作するクリストファー・ノーラン監督ならではの世界観にどっぷりと浸かる事ができる、素晴らしい作品でした。

間違いなく、僕の大好きな映画にリストに登録です。

そして、久々にもう一度映画館で観たいと感じた映画。

2回目はIMAXで観てきます!

 

ちなみにインターステラー好きなら、フリンジもけっこうオススメだと思うんだけどね。

あと、「シュレーディンガーの猫」というキーワードにピント来た方にはコチラの映画もオススメです。

http://eiga-to-dorama.com/2015/08/10/randam/